何だが虚しくなってきました。

国の内閣総理大臣がCOVID-19に罹患されました。

まずは、お見舞い申し上げます。

 

さて、医療機関は、医療従事者で成り立っています。医療従事者も社会の中で生活していますから、社会での流行も同じように医療従事者においても流行する可能性があります。

医療機関の機能維持のため、医療従事者は、仕事を維持するために、ある意味で行動制限していることが多いです。

実際、この2年ほど、私自身、長期休暇は取っていませんし、この流行期においては家族のみの外食だけです。日々の診療に加えて、日曜日には、自治体のワクチン接種会場で仕事をしていたので、休んだような、仕事をしているような感じです。

 

COVID-19は誰にも感染する可能性があるとはいえ、政治に振り回される医療現場においては、虚しさと燃え尽きを感じるこの頃です。

オリンピックをして、感染拡大させるので、ワクチンで備えてと言われているような…

職域接種、大規模接種によってワクチンが進んでおります。

ワクチンについてはいろんな考え方があるかと思いますが、集団免疫による社会生活のためには必要かと思います。

 

どうも、政府は、「オリンピックをして感染拡大させるので、ワクチンを打てるようにしているので、打って自己防衛してください」と言っているような気がします。

 

そんな政府、信頼できますか?

 

日本の検疫は、諸外国に比べて甘いと言われています(先日、それを実感した事案がありました)。そのため今回のインド株も構内への流入は防げないと思っていました。

 

新型コロナウイルス感染症は、人流が増えて、1-3週間後に増えてきて、対策をとっても効果が出るのは2-4週間です。

つまり、先読み対策が必要です。

そうすると、インド株が流行し始めて、既に予防接種が進んでいるイギリスではインド株の感染者が増えているので、オリンピック開催のために緩和したりどうなるか、専門家でなくても、対岸の火事で済まされないのではないかと思います。

 

 

絶望と虚無感

オリンピックは勇気と希望を与えることができるのか?それとも、何かあっても医療機関に受診できない絶望とただ、病気になっても待つしか無い状況の虚無感を持つことになるのか?

アスリートでないので、その価値観は判りませんが、オリンピックの真価が問われているのかもしれません。

 

そして、今、国民全体がうつ状態になりつつあるのではないでしょうか?

 

不要不急の外出を控えることと、イベントや施設への外出は必要なのか、整合性は取れていない中、すべて自己判断、自己責任にされているような気がします。

 

そして、一番問題なのは、真面目に取り組んでいるほど損をしているような意識が出てくることです。

 

感染対策については、専門家での意識では緊急事態宣言も蔓延防止対策もオリンピック開催の是非や規模についてもぶれていないのに、政治になると、実施する基準がぶれているために、絶望と虚無感があるのではないでしょうか?

 

つまり、今の政治は、都合のよく基準を朝令暮改にしているために、絶望と虚無感しかありません。

 

投票で政治は変わらないかもしれませんが、今の政治の評価を投票で示すことはできます。投票棄権では、むしろ政治家の人は、ポジティブにしか捉えません。

 

来たるべき、衆議院選挙で、棄権ではなく、意思表示をしたいものです。

今、何が大切なのか?…最低限度の生活を維持して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を抑えることです。

日本国憲法第25条

(1)「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」

(2)「国は、すべて の生活部面について社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が感染流行している状況で、国がすべき方法はただ1つです。

 

「最低限度の生活を維持して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を抑えることです。」

 

この信念をもってすれば、今、何をすべきかははっきりするはずです。

 

①7月にオリンピックによって、最低限度の生活を維持して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を抑えることはできるのでしょうか?

 

Noですよね。

 

②ワクチンをすすめることは、最低限度の生活を維持して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を抑えることはできるのでしょうか?

 

Yesですよね

 

③緊急事態宣言については、最低限度の生活を維持して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を抑えることはできるのでしょうか?

 

Yesですよね。しかし、最低限度の生活を維持するための政策をしているでしょうか?

つまり、緊急事態宣言と保障は一体です。

 

基本がぶれていると、ぶれた軸のままです。

 

迷ったときは原理原則に戻るべきかもしれません。

 

 

 

 

学習能力のない政治に信頼なし!

この1年以上、多くの人は、様々なことに悩まされたかと思います。

これは、政治は正しく治めることができていないためです。

 

もはや緊急事態宣言に緊急のメッセージが伝わっていないのはなぜでしょうか?

 

それは、メッセージに矛盾が多いからです。そんなメッセージを聞く人はいるのでしょうか?

 

不要不急の外出を避け、人の流れを抑えると言いながら、聖火リレー、テスト競技、イベント、地域格差などなど、短期集中していたとは思えません。

 

緊急事態宣言を短期集中としたならば、何を目標にしていたのでしょうか?

 

リアルタイムで分かる数字は新規感染者数ですので、これを指標にすべきです。

医療逼迫後は1週間後の重症例に反映されることは判っています。

 

新規感染者数を100人まで減らすために緊急事態宣言を実施すると言えないのでしょうか?

つまり、延長が前提になっている期限では、既に、その説得力が無くなっています!

 

残念ながらオリンピックをする前提ではなく、今は、一刻も早いワクチンによる集団接種を目指し、それまでは新規感染者を防ぐという不退転の決意が求められています。

 

口先だけでのトップの申し訳ないという言葉は、何の感染対策にもなりません。

今、病気になっても医療機関に行けない

今、新型コロナウイルス感染症になっても医療機関にたどり着けない可能性があります。また、外傷でも医療機関にたどり着けなくなっているかもしれません。

 

医師である私自身もそんな不安が出ております。

 

なぜでしょうか?

 

要因は2つです。

 

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、医療機関の病床が新型コロナウイルス感染症優先になり、人員もそちらに優先になり、他の疾患での人員が不足している状態になっています。

 

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、新型コロナウイルス感染症の病床もなくなっています。人工呼吸器にも限りがあります。ECMOもそうです。

 

 

これは、今、新型コロナウイルス感染症になっても治療されない可能性があることです。

 

では、どうしたら良いのでしょうか?

 

新型コロナウイルス感染症にかからなようにするしかありません。そして、怪我をしない、病気にならないようにするには、人との接触を減らすしかありません。

100%無理かもしれませんが、できることからすることが大切です。

 

新型コロナウイルス感染症にかかっても、医療機関を受診しないなら、普段どおりの生活をしても良いかもしれませんが、新型コロナウイルス感染症にかかっても病院に行けない状況になっています。軽症が多いとは、自分は軽症である保証はありません。

 

悪くなっても病院にいけないこともあるのです。

 

ワクチンも含めて、政府の対応の悪さは誰もが判っていることですが、それを批判して、新型コロナウイルス感染症にかからないわけではありません。

 

今こそ、一人ひとりが「自分に対するワクチンが無い中で感染しないための緊急事態」と考えるべきかもしれません。

新型コロナウイルス感染症が災害のようになっている以上、自分の命をまず守ること、これが大切です。

今が本当の緊急事態!

既に小児での感染が見られるようになり、インフルエンザの流行のような状況になってしまいました。

 

この1年で日本は何を学んだのでしょうか? もう今は後悔しかないかもしれません。

 

変異株が入っており、水際での対策が困難になり、水面下が増えているのに、中途半端な緊急事態宣言で減ったので、うまくいったと考え、緊急事態宣言をやめてしまいました。その間にも次の一手を考えていたのでしょうか?

 

不要不急の外出は控えると言っても、聖火リレーを行う 国会はリモートでない

 

「隗より始めよ」

 

変異型の問題点は、その感染力とウイルスの増殖にあります。

そして、インフルエンザと違って、新型コロナウイルス感染症は新規感染者から1-2週間後に重症例が増えるということです。新規感染者が増え始める頃に手を打つ必要があるのは、この1年間で学んできたはずなんですが…。

 

変異株の状況はイギリスを見ていたら、判っていたはずです。対岸の火事

 

個人レベルの感染対策では限界があります。通勤しなくてよいなら通勤しないがそうもいかないし。

 

ワクチンの承認は、未だにファイザー社のみ…。

イギリスの例をみて、ワクチンの接種率がポイントだったと思います。子どもに感染する前に大人のワクチンができていれば…。

日本でのワクチン開発はなかなか進まない。

 

もしという言葉は、結果論ですので、あまり言いたくはないものの、ワクチンの効果があるうちに、ワクチン接種率を上げることが、唯一の光明なんですが。

 

1つだけの規制では、規制をない部分に逃れます。外食での飲酒はさまに今は外での食事、飲酒になりました。屋外ならということですが、人との距離が重要である感染対策が残念ながら伝わっていません。

 

感染拡大を物理的に防ぐには、

・距離

・遮蔽物

が重要です。

 

多分、頭では判っているものの、現実味がないまま、この1年が終わってしまいました。

 

ウイルスの変化、状況の変化に対応できなければ、なすがままです。

 

今、覚悟のメッセージが必要なのかもしれません。