麻疹(はしか)が流行の兆し

恐らく、関西国際空港が発端の麻疹が流行の兆しが見られます。麻疹が輸入された可能性が示唆されます。

All Aboutで既に記事にしておりますが、個人的な考え方をブログで補足します。

 

しかし、現在の報道では、小児での発症が少ないと思われませんか?

 

そうです。MRワクチンを2回接種していると、感染しない可能性が高いのです。

 

2015年12月発刊の小児科臨床という学術雑誌の別冊である「小児感染症2015-小児感染症のマネージメント」に、「MR(麻疹・風疹)ワクチン-古くて新しいupdate-」という原稿を書かせていただきました。医学的な内容ではありますが、麻疹と風疹という病気を表にまとめた自信作もあったりして、もしよければ、読んでいただけたら幸いです。

 

MRワクチンは1~2歳までに1回(第1期)、5~7歳までに1回(第2期)の2回接種します。

 

2010年から2014年のデータでの接種率が第1期が95%以上、第2期が92%以上です。

 

この2回接種するようになったのは、2006年からです。

つまり、2006年に7歳未満、16歳では2回接種していることになります。また、2008年4月1日から2013年3月31日までの5年間では中1と高3どちらかでMRワクチンを1回接種しています。この接種率は悪いのですが、定期接種としては、2008年に18歳なら、26歳ぐらいまでは2回接種していることになります。

 

では、27歳以上では、1回のみの可能性が高くなります。2007年~2008年に10~20歳代に麻疹が流行したことからも、1回では不十分であることが言われています。

 

では、今、何をすべきでしょうか?

対策するときに重要なのは、現状把握ですよね。

つまり、自分の麻疹の免疫状態を知ることです。予防接種なら2回接種しているかどうか、過去に血液検査で抗体検査をしたかどうかです。

自信がなければ、今、速やかに予防接種した方がいいかもしれません。ただし、定期接種でない場合は、任意接種と言って自費になってしまいます。自費の場合は、病院によって値段が異なります。10000円前後の事が多いかもしれません。

もし、抗体があっても予防接種しても、より免疫が強化されることになりますので、無駄にはなりません。

 

麻疹は効果的な治療方法がないので、ワクチンで防ぐしか方法がありません。