笑ってもダメなのか?泣く子を笑わす才能はないの?

キンコン西野 観客にマナー要望「子供が泣き出したらロビーに」

http://news.livedoor.com/article/detail/9763962/

 

要約:漫才師「キングコング」の西野亮廣さんがツイッターにて、劇場客席で泣く子供について、「他のお客さまの迷惑になるので、子供が泣き出したらロビーに出してください」と苦言を呈したそうです。

 

■音楽コンサートと漫才

この2つが同じではないのは自明ですよね。コンサートは静かに聞く事が前提になっています。特にクラシックコンサートは咳払いですら、演奏中は憚れます。曲と曲の間に、咳払いなどをするのがマナーとなっていて、コンサートでは、小さな子どもの同伴をそもそも遠慮してほしいと予めアナウンスしています。

では、漫才ではどうでしょうか?最初に、今回、小さな子どもの同伴を禁止していたのでしょうか?禁止したにもかかわらず、子どもを同伴していたのであれば、「他のお客さまの迷惑になるので、子供が泣き出したらロビーに出してください」は一理あるでしょう。

 

■そもそも漫才って何?

人の笑ってもらうために行う芸ですよね。笑うのは静かではないですよね。漫才は静かに聞くものなんでしょうか?笑うのはOKで、泣くのはNGというのであれば、人の感情をどう考えているのでしょうか?もしかしたら、子どもでなくても泣く人がいるかもしれません。自分の漫才の技術で笑いだけを引出せると思っているのでしょうか?もし、そう思っているのであれば、それこそ、芸人の思い上がりのような気がすると思っているのは私だけでしょうか?泣き、笑いなどがあっての芸かと思いますし、子どもが泣いていたら、それをうまく切り返すことができない芸人に、残念ながら才能があるとは思えないです。プロと称するなら、泣く子どもも笑いに変えるぐらいの気概を見せてほしいものです。

自虐的に「皆に笑ってもらうはずが、子どもには通用しませんでした」とか、芸人なら、切り返してほしいものです。

 

■子ども

子どもは泣くものです。親によっては、気を使って、ロビーに出ていく方も居られます。どこに行ってもタイミングによって子どもに泣かれ、何とかしたいと思っているのは親です。そんな時に、周りの環境が冷たい時に、親はどんなにストレスでしょう。何も、親は子どもを泣かしたいわけではありません。電車で泣いて泣きやまず、いたたまれなくなって、次の駅で降りている親子を見ると、こんな社会でいいのか考えてしまいます。確かに、子どもの泣き声はうるさいかもしれません。でも、社会全体が、子育てをするのであれば、もう少しだけ寛容でもいいのではないでしょうか?

 

漫才などは、親にとってもストレス解消に来ているので、「他のお客さまの迷惑になるので、子供が泣き出したらロビーに出してください」では、却って、親にストレスをかけています。

 

子育てをし、小児科医ですから、子どもの泣くのに対して、私は寛容です。

どんな観客にもプロ対応できる漫才師っていないのかもしれません。

 

「他のお客さまの迷惑になるので、子供が泣き出したらロビーに出してください」と言うのではなく、泣く子を笑わしてみてください。