勝てば官軍のような世の中

受験シーズンになってくると、難関中高校から難関大学に合格された人、また、子どもを難関大学に進学させた保護者の話や書籍が注目されます。確かに、結果を残した人はすごいと思いますが…

 

■東大主席卒業…

東大を首席で卒業することは、確かにすごいと思います。世の中で一人しかできない職人技も確かにすごいと思います。また、お金を多く稼ぐ人もすごいと思います。しかし、ある意味、これらは才能だと思いますが、これは価値観の1面しか見ていません。書店に行くと、成功体験の書籍が並んでいます。自分の経験をオープンにしたい気持ちは判ります(私もそう言われるかもしれません)。が、自分の成功体験を他人がまねて同じことができるかどうかは不明です。

 

■その人だから

子どもを東大に入学させた子育て術、塾や予備校の合格体験記、どれも貴重な体験の1つかと思います。成功したからこそオープンにできるかもしれませんが、失敗はどうでしょう?失敗を語ることは難しいかもしれません。割とトントン拍子に成功した人の話よりは、失敗の連続で、最後に成功した体験の方が良いのではないかと思います。成功したのはその人だからです。

 

■私の失敗

自分の驕りによる中学校で第一志望は不合格でした。小学校や模試の成績から、第一志望は楽勝のような感じで、自分も試験を受けるまでは落ちないと思っていました。そのため、落ちた時にはショックで寝込んでしまいました。すべり止めに、ショックを抱えながら、受験しました。幸い、問題がまだ難しくなかったので、合格できました。入学当初、勉強しなくてもそれなりにできると過信してしまい、案の定、成績は下降線でした。半分以下の点数も取るようになりました。中学3年生の時に、やる気スイッチが入りました。そこからの勉強は、平均睡眠時間3-4時間は当たり前でした。

幸い、勉強することで、成績が上がると、それが面白くなって、さらに勉強する好循環に入ることができ、今の自分があるような気がします。それでも大学は一浪です。一度は挫折するのは仕方ないと思えます。

 

才能も必要ですが、どの分野でも言えることですが、努力すれば、それは、人によって実現時期は異なりますが、いつかは報われることかもしれません。

 

才能のある人の成功体験記は、正直、役に立ちない気がします。著名な事を良いことにビジネス的に、ノウハウを紹介している本は、その人のノウハウであって、適用範囲は実は非常に狭いのです。

 

著名な成功した人の話しを聞くのも悪くないでしょう。でも、「驥は一日にして千里なるも駑馬も十駕すれば之に及ぶ」と言います。

凡人でも努力し続ければ、すぐれた人物に追いつくことができます。